● 食から世界を変える「サステナブル・フード革命」へ ●
気候変動や人口増加により、地球規模の食の危機が始まっている。
こうした危機をいかに超え、持続可能な未来をひらくか?
環境ジャーナリストである著者は、
食と農業の未来を変える世界各地のイノベーターたちを取材。
その活動とビジョンを通して、新たな指針を提唱する。
それは最先端テクノロジーと環境エコロジーをともに活かす「第3の方法」だ。
たんなるフードテック礼賛でもなく、
エコやオーガニックの主張でもない、それらを統合した道こそが
「持続可能で公平な食農システム」をもたらす。
マクロ=パーマカルチャー、古代植物の復活、
水不足を解消する先端テクノロジー、アフリカを救うGM種子、
中国で台頭する精密農業、アメリカ陸軍が開発する未来食
・・・
今日の食農システムは危機管理力・回復力が求められる一方で、
気候変動・環境劣化をもたらしている大きな要因でもある。
こうした動向への著者の真摯な問いかけと不安は、
取材の旅の終わりに希望へと転じていく。
食を変えれば世界を変えられるーーサステナブル・フード革命とともに!
★年間ベストブックW受賞!!
ノーチラス・ブックアワード、レイチェル・カーソン環境書籍賞
★絶賛
本書が案内する未来への旅は、怖くて、刺激的、そして最後は勇気づけられる。
ーーエリザベス・コルバート(『6度目の大絶滅』の著者)
新たなアイデアへ開かれ、洞察力に溢れている。きわめて価値ある貢献を世界にもたらす内容だ。
ーーサミュエル・マイヤーズ(ハーバード大学・環境センター教授)
読者は地球のもっとも差し迫った問題のいくつかを解決している、奇妙で魅力的な人々に出会うだろう。
ーーテイマー・ハスペル(『ワシントンポスト』コラムニスト)
★続々書評!
人類の知恵や自然観、倫理と最先端のテクノロジーとの融合を複眼的な視野で問い直す重要性に気づかせてくれる
ーー小川さやか(文化人類学者)『読売新聞』
可能性を広く探る柔軟な発想で得たポジティブなメッセージが印象的だ
ーー『日本経済新聞』
テクノロジーとエコロジーを共に生かす方法
ーー先崎千尋『週刊読書人』
時に驚き、時に考えさせながら、食の最前線への知見を深めていける
ーーサステナブル・ブランド・ジャーニー「Sustainable Book Review 」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
::著者:: アマンダ・リトル
ヴァンダービルト大学の「ジャーナリズムとサイエンス・ライティング」教授。
ブルームバーグのコラムニストとして、環境・農業とイノベーションについて執筆。
環境・食・テクノロジーに関する記事を、フォーブス、ブルームバーグ・ビジネスウィーク、
ワシントンポスト、ニューヨーク・タイムズ・マガジン、タイム、ワイアードなどに寄稿。
本書でノーチラス・ブックアワード、レイチェル・カーソン環境書籍賞を受賞。
また、環境ジャーナリズムの分野で優れた業績をあげた人物に贈られる
ジェーン・バグリー・リーマン賞を受賞。
前著は『Power Trip: The Story of America's Love Affair With Energy』。
::訳者:: 加藤万里子
翻訳家。訳書は、デイビッド・サックス『アナログの逆襲:「ポストデジタル経済」へ、ビジネスや発想はこう変わる』、
アニー・ジェイコブセン『ペンタゴンの頭脳:世界を動かす軍事科学機関DARPA』、
エレナ・ボテロ&キム・パウエル『最速でトップに駆け上がる人は何が違うのか?』など。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
::目次::
◆「目次・はじめに・解説」の立ち読みはこちら
はじめに:食の危機をイノベーションで超える
人口増と気候変動の脅威/食料生産を根本から見直す
第1章:持続可能な「第3の方法」とは?
歴史が教えてくれること/不足から過多へ/
度を越した料理文化/魔法使いVS.予言者/入手しやすさ格差
第2章:気候変動と闘うリンゴ農家
野生のリンゴから遠く離れて/スマートな果樹園への道/
植物の原始的な意志/スーパーチル現象/未曾有の出来事/
試行錯誤を重ねて/気候変動が食料生産に及ぼす影響/
無駄な努力?/奇抜なアイデア
第3章:アフリカを救う遺伝子組み換え種子
畑があるのに、なぜ飢える?/GM作物は禁止すべきか/
カロリー生成機/白熱する議論/安全でも信頼が得られないわけ/
二者択一を超えて/広大な砂漠が農地に変わる?/私が間違っていたこと
第4章:AIロボットで持続可能な農業へ
レタスボットの活躍/農薬を減らす/悪夢にもチャンスにもなる/
除草ロボットという選択肢/土が革命的に健全になる/
単一栽培に終止符を!
第5章:中国で台頭する精密農業
汚染された農地/トニー・ジャンの挑戦/スマート農業システムの開発/
困難な除染/時代を先取りしたアイデア/最大の難関
第6章:垂直農場が育むデジタル・テロワール
世界的な農地略奪/ニューヨーク各地で葉物野菜を育てる/
ポストオーガニック/農地を原野に/独特な風味と食感を野菜に与える/
革新的なチームづくり
第7章:サケ養殖で世界に持続可能なタンパク質を
「青の革命」を支援する/もっとも切迫した問題/
水中版の垂直農場/混合飼育の復活/牛肉より養殖魚を
第8章:健康にも環境にもいい培養肉
代用ではなく、肉そのものを/歴史的な意義/
生産コストをいかに下げるか/未知の可能性へ/
究極の高機能ハンバーガー/パンデミックのリスクを減らす
第9章:食品廃棄物ゼロをどう実現するか
食品廃棄物による温室効果ガス排出量/リサイクルより地球のためになる/
広がる食品廃棄物スーパー/食品を保存するテクノロジーの進展/
食品廃棄物をバイオガスに変える
第10章:水危機を解決する先端テクノロジー
敵は水漏れ水道管だ/紫の水道管ネットワーク/
予防医学の世界へ/海水淡水化プラントで水大国に/トイレから蛇口へ
第11章:危機管理力と回復力を鍛える
クラウドシーディング体験/史上最大の干ばつ救援活動/
回復力の根づいたコミュニティ
第12章:古代植物の復活
植物が授ける古代の知恵/気候変動時代の主食に/
ジャンク・フード効果と栄養格差/古代の植物と現代の育種ツールの融合
第13章:3Dプリンターが生む未来食
栄養補給のパーソナライズ化/Z世代の兵士と戦略の変化/
最小で最大のカロリーと栄養素を/食の魂の終わり/希望の探求
おわりに:世界全体が、ひとつの庭
自然の永続的なパターンを模倣する/2050年の感謝祭/
マクロ=パーマカルチャー
|