料理の起源から、未来の食べ物まで。 食べ物と人類はいかに進化してきたのか? 食が人類を変え、人類が食を変えた壮大な物語ーー ・ヒト族はいつ料理を始めたのか ・地球を移動した人類の大いなる旅の食料とは? ・穀物栽培はヒト遺伝子をどう変えたか ・味覚の好みはなぜ違うのか ・チーズの中で繰り広げられる競争と共生 ・酒好きな酵母たちが旨いワインやビールをはぐくむ科学 ・世界最古のデザートとは? ・・・・ 美味しさにひそむ進化のドラマを、著名な進化生態学者が明かします。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 翻訳家。訳書はアンドリュー・ロウラー『ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥』、 アナリー・ニューイッツ『次の大量絶滅を人類はどう超えるか』、 マイケル・R・ローズ『老化の進化論』など。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ::目次:: ◆「目次・第1章・解説」の立ち読みはこちら ▼第1章 進化美食学 ◎ ダーウィンとディナーをご一緒に 進化を食べる招待状/種子と羊膜/ パンケーキと生命進化の分岐点/料理の起源から未来の食べ物まで ▼第2章 料理 ◎ ヒト族はいつ料理を始めたのか 料理をする動物/肉の毒性/地下貯蔵器官とゾウ/ 脳の増大、エネルギー代謝率の向上/ネアンデルタール人の食事 ▼第3章 貝 ◎ 人類の大いなる旅の食料 世界最古の貝塚/海岸沿いのルート/浜辺の採集民の暮らし ▼第4章 パン ◎ 穀物の栽培が変えたヒト遺伝子 創始者作物/なぜ穀物の栽培化に何千年もかかったのか/ パンコムギの巨大なゲノム/ナチスが狙った種子コレクション/ 進化を逆戻りしたライムギ/α-アミラーゼの多い人、少ない人 ▼第5章 スープ ◎ 味を感じる「鍵穴」と失われた味覚 原始スープと「うま味」/T1Rファミリー/ 苦味の不思議/味覚の多様性と遺伝暗号 ▼第6章 魚 ◎ 風味の決め手となる遺伝子 ヒトは嗅覚が鈍いのか/風味は鼻が作り出す/ 白身魚と赤身魚の筋肉/古代ローマのガルム人気 ▼第7章 肉 ◎ 野生動物が家畜になるとき 寄生虫が教えてくれる肉食の起源/マンモス・ステップ/ 野生の肉不足/ニワトリ、地球を巡る/ 家畜化はどのように進んだか/家畜化症候群 ▼第8章 野菜 ◎ 多様性と進化の戦い 野生のキャベツやトマトから/南米大陸の園芸/ インカ帝国の反乱鎮圧政策/シアン配糖体、「カラシ油」/禹の三角形 ▼第9章 ハーブとスパイス ◎ 毒になるのに美味しいわけ 熱帯の料理とスパイスの関係/ミントの香りを変えるたった一つの遺伝子/ タイムのにおいが消える場所/トウガラシが「熱い」のは?/鳥は激辛でも感じない ▼第10章 デザート ◎ 甘い罠 純粋なエネルギー源/最古のデザート/壊れたフィードバックループ/ 倹約遺伝子型/姿を隠すマントをかぶった「果糖」 ▼第11章 チーズ ◎ 最も人工的な食べ物 乳とチーズの起源/珍しい乳糖/ラクターゼ活性持続症の進化/ チーズはマイクロバイオーム/風味をもたらす相利共生/チーズの中の細菌競争 ▼第12章 ワインとビール ◎ 酒好きな酵母たちの物語 顕花植物の出現に始まる/「近隣窮乏化作戦」から「生産・蓄積・消費作戦」へ/ アルコール中毒になる人、ならない人/ワイン誕生の地はどこか/ 一匹狼のDNAが新種を生みだす/フィロキセラ問題/ 遺伝子の水平移動/カールスバーグを世界企業にした酵母 ▼第13章 祝宴 ◎ 狩りの獲物を分け合うことから 利他行動はなぜ進化したか/チンパンジーとヒトの食物分配/ 他人の目/イノシシのトロイ風/贈り物競争 ▼第14章 未来 ◎ 持続可能な食べ物の進化とは? 人口増加と気候変動/第2次「緑の革命」/ハワイのパパイアを救う/ 遺伝子組み換え作物の問題は、進化の問題だ/進化と料理は似ている |