注目の巨大経済・文化圏は、どこへ向かうのか?
米政権ブレーンによる、徹底考察・未来戦略!
インド洋圏は、いま世界で最も成長しているエリアであり、
巨大な経済・文化圏を形成している。
アフリカ東部から、アラビア半島、インドを経て、東南アジア、中国まで
広がるこの海域は、
遥か古代からモンスーンの風によって結ばれた大いなる交易圏だった。
(日本では海のシルクロードとして知られる)
インド・中国の台頭によって急速に変貌を遂げつつあるこの海域国家・都市群は
どこへ向かおうとしているのか?
米政権のブレーンであり、国際ジャーナリストとして知られる著者は、
インド洋圏各地を訪れ、タペストリーのように織りなされる複雑・多層な
この海域の過去-現在-未来を読み解いていく。
米国の一極支配が弱まるなかで、
インド洋圏の動向は多極化する世界の鍵を握っている。
本書は、たがいに深い影響で結ばれた「インド洋」という一大交易圏をとおして、
来るべき世界の指針と戦略を明らかにする。
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●ロバート・D・カプラン
米ワシントンのシンクタンク「新米国安全保障センター」の上級研究員。
国際ジャーナリスト。米政権ブレーンとして国防総省・防衛政策協議会のメンバーも務める。
『フォーリン・ポリシー』誌による「100人のグローバルな思索家」に選出。
『バルカンの亡霊たち』(NTT出版)など、12冊の著書がある。
●奥山真司・関根光宏(訳者)
奥山真司:地政学者、著書に『“悪の論理”で世界は動く!』、訳書にスティーヴン・M. ウォルト
『米国世界戦略の核心』など。
関根光宏:翻訳家、訳書にモナ・アハメド『インド 第三の性を生きる』、
ブラッドリー・C・エドワーズ他『宇宙旅行はエレベーターで』など
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::目次::
Part(1)
第1章 垂直に拡大する中国、水平に拡大するインド
・全人類のシンボル
・ユーラシア大陸統合への潮流
・中央アジアの未来を握る
・勢力均衡政治へ
Part(2)
第2章 オマーン、多文化の融合
・モンスーンの貿易システム
・コスモポリタニズムの先駆者
・インド洋は支配できない
第3章 西洋とは異なる発展の指標
・「インド洋世界」と「アラビアの砂漠」の統一
・カブース国王の知略、イバード派の教義
・世界最大規模の港湾開発プロジェクト
第4章 海の世界帝国
・とりつかれた冒険者
・「インド」とは東方全域のこと
・ポルトガルの文化的影響力
・矛盾に満ちあふれた存在
第5章 バルチスタンとシンド、大いなる夢と反乱
・希望と恐怖をもたらす港、グワダル
・バルチスタン地方とシンド地方の連邦計画
・民族主義運動のリーダーは語る
・カラチの「アイデアの中継地」構想
・荒れ地のアイデンティティ
・中東全域の文化を凝縮
第6章 グジャラート州、インドの希望と困難
・インドの精神
・「二○○二年」事件の爪痕
・インド洋のいたるところに種を蒔く
・国家の威厳の再発明
・モディ州首相との対話
・エリートたちの欲求不満
第7章 インドの地政学的な戦略
・ムガール帝国の残照
・インド政府は中国の台頭をどうとらえているか
・大国インドの脆弱さ
・究極のパラドックス
第8章 バングラデシュ、権力の真空地帯で
・自然災害が促した地元NGOの進展
・なぜイスラム過激派の温床になるのか?
・国家よりも大きいコスモポリタンな世界への入り口
・最悪の場所
第9章 コルカタ、未来のグローバル都市
・カースト制度が弱くなり、民族主義が台頭する
・スラム住民の変貌
・新富裕層の出現、都市のバルカン化
・むき出しの斬新さ
・個人が国家の命運を決めるとき
第10章 戦略と倫理—大インド圏構想の推進
・ネオ・カーゾニズムへの注目
・インド亜大陸の裏庭から
・タゴールの教え
第11章 スリランカ、インドと中国のはざまで
・中国による援助は成功するか
・キリスト教徒の過激派タミル人
・ラジャパクサ家による混合主義的な支配
・注目すべきスリランカの位置
第12章 ミャンマー、来るべき世界を読み解く鍵
・要地における少数民族の反乱
・機密扱いの民間活動家たち
・アメリカはミャンマー問題にいかに対処すべきか
・中国とインドが衝突する戦略的戦場
・国家間競争の行方を握る山岳民族
第13章 インドネシア、熱帯のイスラム民主制の行方
・イスラム教の将来を決める国
・アチェと中東の交流
・津波がもたらした和平の後で
・ワヒド前大統領との対話
・改革思想家アブドゥフの大きな影響
第14章 海域アジアの変貌
・二一世紀のマラッカ海峡
・ポルトガルとオランダの植民地主義の違い
・ジャカルタとシンガポールの動向
Part(3)
第15章 中国の海洋戦略の本質
・アメリカと中国のシーパワー
・逆・万里の長城
・朝貢システムの復権か
・アメリカが目指すべき道
第16章 アフリカをめぐる、統治とアナーキー
・投資なのか、搾取なのか
・野生の都市、海賊の実態
・新興国が協力するチャンス
第17章 最後のフロンティア、ザンジバル
・アフリカの可能性を示す場所
・還インド洋貿易システム
・シラーズの祭り、紅茶商人のルーツ
・アルジャジーラと中流階級の台頭
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絶賛の声!
面白いだけでなく日本がなにを為すべきかに関して、
多くのことを確認し、新たに発想する鍵となる。
——櫻井よしこ『週刊新潮』
複雑・多層な海域の地政学を、歴史的裏打ち豊富に披露してくれる。
——『東洋経済』
類い稀な行動力に基づく該博な知識と丹念な取材に裏打ちされた本書は、
読む者に多くの示唆と刺激を与えてくれる
——公文俊平『ハフィントンポスト』
歴史解読と戦略分析が豊富に盛り込まれ、読み応え十分だ。
——『エコノミスト(日本版)』
この本のなかでインド自身が抱える大きな課題を見出すことになった。
——伊藤千秋(富士通総研会長)『千秋日記』
歴史的な解読、現地取材、見事な戦略が広範な視野のもとに織りなされている
——フォーリン・ポリシー
カプラン氏の幅広い旅と知識は、私たちを刺激的な洞察へと導く
——ワシントンポスト
第一人者による的確な歴史的スケッチと戦略的分析
——ニューヨーク・タイムズ
カプラン氏は地政学的な想像力に恵まれている
——ウォールストリート・ジャーナル
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