言語が違えば、世界も違って見えるわけ


ガイ・ドイッチャー 著 椋田直子 訳

352頁/定価 2400円+税
発行 インターシフト(発売 合同出版)
 <言語が変われば、見る空の色も変わる>

 古代ギリシャの色彩(・・なぜホメロスの描く空は青くない?)から、
 未開社会の驚くべき空間感覚(・・太陽が東から昇らないところ)、
 母語が知覚に影響する脳の仕組みまで(・・脳は言語によって色を補正している)——

 言語が知覚や思考を変える、鮮やかな実証!

 ●年間ベストブック、多数受賞!
  エコノミスト誌、フィナンシャルタイムズ紙、スペクテイター誌、
  ライブラリージャーナル誌
 ●英国ロイヤルソサエティの年間ベスト科学本・最終選考賞
 ●ニューヨーク・タイムズ紙のエディターズ・チョイス

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 ●ガイ・ドイッチャー 
  言語学者。ケンブリッジ大学の特別研究員、ライデン大学の古代近東言語学科の教授を経て、
  マンチェスター大学の言語・言語学・文化学部の主任研究員。

 ●椋田直子(訳者)
  訳書にスティーブン・ピンカー『言語を生みだす本能』『心の仕組み』、
  キース・E・スタノヴィッチ『心は遺伝子の論理で決まるのか』など。

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 ::目次:: 

 プロローグ:言語と文化、思考

 ◎Part(1)言語は鏡

 ●第1章 虹の名前
  >>ホメロスの描く空が青くないわけ
 ・「葡萄酒色の海」のミステリー
 ・古代ギリシャ人は色弱だったのか

 ●第2章 真っ赤なニシンを追いかけて
  >>自然と文化の戦い 
 ・色感は進化する?
 ・キリンの首
 ・心の目

 ●第3章 異境に住む未開の人々
  >>未開社会の色の認知からわかること

 ・色の違いと色の名前
 ・人類学のガリレオ
 ・三つの思考実験

  ●第4章 われらの事どもをわれらよりまえに語った者
  >>なぜ「黒・白、赤…」の順に色名が生まれるのか
 
・驚くべき発見
 ・制約のなかでの自由
 ・色彩を超えて

 ●第5章 プラトンとマケドニアの豚飼い
  >>単純な社会ほど複雑な語構造を持つ
 ・文明の進んだ言語のほうが複雑か
 ・小さな社会のほうが複雑な語構造を持つ
 ・大きな社会ほど新しい音素が出現しやすい
 
 
◎Part(2)言語はレンズ

 ●第6章 ウォーフからヤーコブソンへ
  >>言語の限界は世界の限界か
 
・言語相対論
 ・フンボルト、登場
 ・「落ちる」という動詞のない世界
 ・ホピ族の時間感覚 

 ●第7章 日が東から昇らないところ
  >>前後左右ではなく東西南北で伝えるひとびとの心
 
・カンガルーとグーグ・イミディル語
 ・鼻を南に向けて泣く
 ・海側の頬にパン屑
 ・絶対方位感覚

 ●第8章 女性名詞の「スプーン」は女らしい?
  >>言語の性別は思考にどう影響するか
 ・「ウーマン」は男性? 「飛行機」は植物?
 ・男性名詞・女性名詞の影響を確かめる実験
 ・言語の性別、その豊穣な世界 

 
●第9章 ロシア語の青
  >>言語が変われば、見る空の色も変わるわけ
 ・日本のアオ信号
 ・脳を覗いてみる

 
エピローグ:われらが無知を許し給え
 
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絶賛の書評!

 良質な本だ・・言語の妙味を堪能したい方に広く薦めたい。
 ——池谷裕二『読売新聞』 

 円城塔による店主の1冊にセレクト『読売新聞』

 宇宙と人は遍く広がり、言語というレンズが世界を彩る。
 読み応えの有る1冊だ。
 ——瀬名秀明『週刊朝日』

 一般向けの書物として特に色彩語の学説史は読み物としても大変面白いし、
 ところどころに挟んだトリビアも楽しい。
 サピア=ウォーフ仮説に興味のある人にはピンカーの「思考する言語」と併せて
 必読書物ということになるだろう。
 ——『shorebird 進化心理学中心の書評』
 
 言語と思考の関係を科学の目で解き明かす
 ——中村桂子『毎日新聞』

 ワインの海は牛の色
 ——高村和久『HONZ』

 研究史を丹念にたどった刺激的な作品
 ——増子耕一『世界日報』

 色彩・空間・時間感覚から言語の限界まで幅広く興味深い議論!
 ——高橋昌一郎「twitter」

 言葉を扱う全人類が楽しめます!
 ——海猫沢めろん『ダヴィンチ』
 
 言語がそれを話す人々の思考や行動、さらに世界観に大きな影響を及ぼしていると
 考える人は多いだろう。
 本書はそうした見方が正しいかどうかよりも、なぜそうした見方が合理的に思えるのかを
 深く掘り下げている点が興味深い。
 ——『日経サイエンス』

 謎多き言語と人間の関係に迫る、読み応えのあるノンフィクション
 ——『図書館教育ニュース』

 リサーチの方法論を考える上でも大いに刺激・示唆を与えてくれる良書。
 ——高山芳樹『英語教育」

 魅惑的な読み物!
 ——ニューヨーク・タイムズ

 とびきり豊かで、刺激的、知的な作品だ。
 ——サンデータイムズ

 きわめて堅実な研究と素晴らしい語り口によって、読み始めたら止まらなくなる。
 ——ニューサイエンティスト

 ・・ワシントンポスト、ボストングローブ、フィナンシャルタイムズ、ガーディアン、
   スペクテイターなどなど、多数の紙誌が絶賛!

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