複雑で単純な世界
不確実なできごとを複雑系で予測する

ニール・ジョンソン

336頁/定価 1900円+税
ISBN 9784772695268 発行 インターシフト(発売 合同出版)
 市場からネットワーク、恋愛から癌まで、
 不確実なできごとを予測し、防御・最適化する驚くべき成果!

 <<話題の「社会物理学」を超える「社会生態学」の発想 >>

 世界は不確実性にあふれている。
 本書は、社会生態学としての複雑系によって、
 こうした不確実なできごとを予測し、その対処法を明らかにしていく。
 市場、情報ネットワーク、渋滞・物流、テロ・犯罪、恋愛、癌・感染症、自然現象まで・・・
  ーー複雑な世界を単純化する、その鮮やかな手法に驚かされるにちがいない。

 著者ニール・ジョンソンは、オックスフォード大学とマイアミ大学で、
 生物-社会-物理をつなぐ複雑系の領域横断的な研究グループのリーダーとして活躍。
 その成果は、さまざまなメディアで紹介され、国際的な注目を集めている。

 わが国でも話題になったマーク・ブキャナン『人は原子、世界は物理法則で動く』でも、
 その研究が大きく紹介。
 
・・・「ジョンソンらのモデルは・・株式相場の変動方向をほぼ100パーセント正しく予測し、
     誤った予測はわずかに1回だけだった」(同書より)・・・

 話題は<菌類から都市、音楽から宇宙>にまで及び、
 光合成を利用したエネルギー装置の開発、癌の有効な治療法、市場動向の予測、
 渋滞解消の具体策など、要注目のトピックも満載である。

 数式をほとんど使わず、図版を多用して、
 やさしく最先端の複雑系を紹介した1冊。

 複雑系が「科学のなかの科学」であり、
 不確実な未来を予測・制御できることを豊富な事例とともに伝えてくれる。

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 ●ニール・ジョンソン 
  オックスフォード大学の物理学教授と複雑性協同研究の共同ディレクターを経て、
  現・マイアミ大学の「複雑性に関する学際的研究グループ」主任。
  生物-社会-物理をつなぐ領域における複雑性研究で、国際的な注目を集めている。

 ●阪本芳久(訳者)
  訳書にマーク・ブキャナン『複雑な世界、単純な法則』『人は原子、世界は物理法則で動く』など。

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 ::目次:: 

 PART 1  複雑系、その可能性の核心
 ●第1章 単純な要素、複雑な現象
  ・限られた資源をめぐる競争
  ・複雑性だらけの毎日

 ●第2章 秩序ポケットの出現
  ・秩序と無秩序のあいだに
  ・太陽・都市・身体
  ・偏りがあるから、予測ができる

 ●第3章 カオスとフラクタルをどうとらえるか 
  ・規則的な時系列とランダムな時系列
  ・楽しい音楽、退屈な音楽
  ・宇宙人が子どもを観察したら

 ●第4章 群集の行動を予測する
  ・「二者択一」問題
  ・勝者になるとは、どういうことか
  ・情報は食べ物に似ている
 
 
●第5章 複雑性とネットワーク
  ・つながりは、どのような影響を及ぼすか
  ・ネットワークの生態学
  ・菌類の「養分取り回し」モデル

 PART2 不確実な世界を複雑系で読み解く
 ●第6章 金融市場の動向を予測する
  ・金融専門家たちの標準モデルの限界
  ・暴落の分類学
  ・予測可能ポケットに注目

 ●第7章 渋滞・情報伝達と最適ネットワーク 
  ・輸送・供給から経営、人体のネットワークまで
  ・多重リング・ネットワークのスーパーハブ
  ・ハブには適正限界がある

 ●第8章 理想のパートナーと出会う
  ・放射性崩壊と交際の進展
  ・つきあいの法則ー意外な結果
  ・万人のパートナー

 ●第9章 戦争やテロの法則
  ・似てくるテロ、内戦、国家間戦争  
  ・最悪のケースを考えて立案せよ
  ・反乱のメカニズム

 ●第10章 感染症、癌をいかに抑えるか 
  ・蔓延の鍵は、ネットワーク構造
  ・癌の有効な治療法
  ・最良の防御戦略とは

 ●第11章 自然と量子ゲーム
  ・光合成エネルギー利用の太陽電池
  ・量子ゲーム・量子装置
  ・誤差を組み合わせて、誤差を最小に
 
 
●第12章 生態学としての複雑系へ
  ・物理学の限界
  ・マルチエージェントの生態学

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絶賛の声!

 知的な興奮を味わった
 
——竹中正治(エコノミスト・龍谷大学経済学部教授)「YAHOOブログ」より

 私たちが所属する実世界がいかに奥深いかを、十分にイメージできる。 
 
——池谷裕二「読売新聞〜書評」 

 古代からニュートンあたりの時代まで不可分だった科学と哲学の境界が、
 ここで再び曖昧になりつつあるのだろうか。
 
——辻村永樹『GQ Books』

 「社会物理学」の成果のサーベイ。古典物理学にこだわる経済学は、この変化に乗り遅れている。
 
——池田信夫「twitter」より

 なぜ、交通渋滞と市場暴落は似ているのか? 本書は複雑系によって
 ともに理解する方法を示している。・・・ネットワークとゲーム理論もまじえ、
 明晰で興味深い議論が展開されている。
 ——『ザ・ガーディアン』
 

 
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