超人類へ!
バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会

ラメズ・ナム著 西尾香苗◎訳
304頁/定価2200円+税
ISBN 4309906982

発行 インターシフト 発売 河出書房新社

「脳・・IT・・遺伝子」技術の融合から、超人類が生まれつつある。
脳から脳へテレパシーのように思いを伝える(米国防総省が実験を推進)など、
驚異の生体情報社会の到来を、世界中で活用されているウェブソフトInternet
Explorerの開発者が告げる!


●ラメズ・ナム Ramez Naam
科学技術者。世界中で活用されているマイクロソフトの
Internet Explorer とOutlookの開発者。
バイオテクノロジーやナノテクノロジーなどの最先端技術と
近未来社会について洞察する若きオピニオンリーダー。ナノ
テク企業のCEOを務めるほか、現在、マイクロソフトのイン
ターネット検索テクノロジーのプログラム・マネージャーと
して活躍。

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::目次::

 第1章  からだを選ぶ       
 第2章  こころを選ぶ
 第3章  だれもが平等に
 第4章  メトセラの遺伝子
 第5章  寿命を選ぶ 
 第6章  メトセラの世界
 第7章  自分自身の子供
 第8章  選択による子供
 第9章  接続された脳
 第10章 ワールド・ワイド・マインド
 第11章 限界のない生命
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テクノロジーによって、心身の拡張をとげる人類たち。
この数年にもめざましい進展をとげている遺伝子医療・神経工学・
脳科学などの実験・研究成果をもとに、さまざまな事例が紹介されている。

たとえば・・
◎脳から脳へテレパシーのように思い(イメージ・音声・触感など)を伝える
 →米国防総省DARPAが巨額の費用を投じ、実験を推進。インターネットがDARPAの前身ARPAから生まれたように、この画期的な「脳ー脳コミュニケーション」技術も、やがて民間に広まっていくだろう(=ワールド・ワイド・マインド)。*なお、DARPAの実験の一部はNHKスペシャル「立花隆が探るサイボーグの衝撃」でもレポートされている。

◎記憶力を飛躍的にUPさせる
 →記憶力を5倍にする動物実験が成功。記憶力に関わる脳内CREBを増やす薬も開発中。アルツハイマーなどの治療にも有効。

◎寿命を延ばすだけではなく、いつまでも若々しくいられる
 →遺伝子操作により、寿命を200歳まで延ばす可能性のある実験が成功。また、老年でも若々しくいられる薬(カロリー制限模倣薬)が開発中。老化にともなう数々の疾病予防にも有効。

◎肌の色をファッションのように一時的に変える
 →遺伝子の活性を制御できる「スイッチ」によって、動物の体毛を変える実験に成功。皮膚ガンの予防にも有効。

◎脳内シアターに映像を投射する
 →目の見えない人の視力を回復する人工視覚装具(デジタルズーム機能付き)がすでに実用化。この装置は肉眼では見えない赤外線・X線などをとらえたり、脳内にダイレクトに映像を投射する脳内シアターに応用可能。

・・このほかにも、「性格・感情をつくり変える」「運動もせずに筋肉を増強する」「脳の記憶を外部に保管する」などなど、驚くべき先進事例・研究が次々とあげられる。

とはいえ、本書はたんにテクノロジーを手放しに礼賛するものではない。その利益とリスクとを冷静に分析しながら、きわめてクールに未来を予測する。
そうして、このような心身の増強技術は、私たちが迎えている高齢社会の処方箋としてもきわめて有効であることを示している。

一方、とくに生殖にかかわるテクノロジーを規制しようとする思潮も根強い。著者は国家がテクノロジーを規制・管理すべきではなく、広く個人・市民が選択できるように開放されるべきとするリベラルな立場から、ひじょうに説得力のある議論を展開している。

著者とまったく反対の立場にあるビル・マッキベン(生殖テクノロジー規制派の代表的論客のひとり、『人間の終焉』の著者)ですら、本書につぎのような讃辞を寄せているほどである。

ーーラメズ・ナムは、私たちがさらに進化の道を先へ進もうと決めたなら選択するだろう世界の、信頼するに足る知見に満ちた展望を示している。本書で語られることに対して、私はまったく賛成できないが、とはいえ、かなり説得力のある本に違いないーー

→→ SFではなく、どれも実験が進んでいるリアル・テクノロジーである!

*テクノロジーによって心身の拡張・増強をはかる思潮は、トランスヒューマニズムと呼ばれる。
「世界トランスヒューマニスト協会(WTA・World Transhumanist Association)」がムーブメントの発信拠点として知られているが、注目されるのは同協会の会長、ニック・ボストロムが、英国の名門オックスフォード大学によって2005年に設立された「人間性の未来研究所(FHI・Future of Humanity Institute)」の所長に就任したことだ。こうした動向をうかがう上でも、本書は必須の文献といえる。

私たち人間の根深い性(さが)ともいえる技術の探求は、ついに当の「人間」自身をつくり変える領域にまで達してしまった。本書が問いかけるのは、私たちの心身・能力・自我・コミュニケーション・家族・権力などが、「人間を超えて」進展し変容していく未来社会への構想力にほかならない。


続々とメディアで絶賛紹介!

本書の直球未来談義は、なかなかに力強く刺激的だ。本書で久々にいまとちがう未来世界に思いをはせてみてはいかが?
ーー山形浩生(評論家)「 AERA誌・BOOK欄」

科学読み物として第一級である。脳科学、先端領域に関心がある人には自信を持ってお勧めしたい本だ。
ーー橋本大也「情報考学 Passion For The Future」

抜群に、面白い。ミステリーを読むかのように、一晩で一気に読み終えた。
ーー「日本経済新聞・THE NIKKEI MAGAZINE欄」

変化を望む人の選択肢。
ーー森山和道(サイエンスライター) 「東京新聞+中日新聞・日曜書評欄」

途方もない人間を誕生させる技術がある日、突如として出現する可能性が高い。そのときこそ、倫理面も含めた全社会的な対応を余儀なくされるだろう。
ーー安東能明(作家)「産経新聞・あの人のイチオシ欄」

IEの開発者である著者が、・・驚愕の事例を検証する。
ーー「週刊アスキー誌・BOOK欄」



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